作品名 | サイコろまんちか |
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作者 | 小出もと貴 |
ジャンル | 学園コメディ/心理学 |
巻数 | 全3巻(完結済) |
ボサボサ頭、対人スキルゼロ…校内一の変人女・伊東の唯一のとりえ、それは心理学!
恋愛、勉強、友人関係…校内の生徒から持ち込まれる青春の悩みにマッド・サイコロジスト伊東が挑む!
— 引用元:公式あらすじより(一部抜粋)
当ブログによる評価:お気に入り度★4、おすすめ度★4

意識して学ばなくても、自然と知識が頭に入る。私の好きなタイプの雑学コミックだよ!
年代別おすすめ度
年代 | 評価 | 備考 |
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小学校低学年 | 大人向けギャグに要注意 | |
小学校高学年 | ふりがな付きで読みやすい | |
中学生 | 人間関係に活かしたくなる | |
高校生以上 | 思い当たる経験がありそう |
- 心理学に興味はあるけど、専門書はハードルが高いと感じる
- 学校や職場の人間関係に役立つヒントを探している
- 3巻で完結するコンパクトなシリーズを読みたい
すべての漢字にルビが振られており、勉強を前面に出してこない点は「楽しく覚える学習漫画」として優秀です。
低年齢層は下ネタが問題ですね。1話は許容範囲ですが、2話で嗜好がアウトな部員・江崎が加入します。
子どもによっては、小学校高学年からいけるかな…?当ブログでの推奨年齢は中学生以上とさせていただきます。



夜な夜なティッシュを消費している理由をどう説明したものか…。
『サイコろまんちか』1巻 感想レビュー(ネタバレ度:中)
本作の主人公は、花も恥じらわない女子高生・伊東。
漫画における「残念ヒロイン」は性格を犠牲にする代わりにルックスが良かったり、短所も目をつぶれる程度だったりする中、本当に残念な心理学マニアです。
まともに話せる同級生は幼なじみのイケメン・阿部しかおらず、コミュ障ぼっち街道を爆進中の伊東。
部員を5人集めて、心理学研究部を立ち上げようと一念発起するところから物語は始まります。
まだ読んでいない方はご注意ください
部員勧誘1人め・阿部「ハロー効果」
ある出来事を機に、心理学に傾倒し始めた伊東。
心理学研究部の創設を目論んで、片想い相手でもある阿部を誘いますが「面白くないし」とすげなく断られてしまいます。
いいのか? そんな態度で
阿部だって全然モテてないじゃないか
— 引用元:『サイコろまんちか』1巻より
もちろん、伊東がやすやすと引き下がるはずもなく。
心理学を用いた「3つのクイズ」によって、阿部がモテない理由を解説し、研究部への加入意欲を引き出します!



恋い慕う男の評判を地に落とすえげつなさよ。
部員勧誘2人め・江崎「プライミング効果」
友達はおろか、知人すらおぼつかない伊東。阿部以外の部員を増やす手立てはないかと思いきや…
英語のテストで2点、偏差値27という驚異の数字を叩き出した女子・江崎が
「どんな悩み事でも解決します」
と書かれた心理学研究部のポスターに目を留めました。
心理学で成績は上がるのか?
江崎のまとう雰囲気に、己と似たものを感じ取った伊東。
当初は人見知りでしどろもどろながら、心理学の知識を活用して暗記力を高めるコツを伝授します。
- マジカルナンバー7:長い単語は暗記できない、短く区切って覚えよう
- プライミング効果:連想しやすい関連項目を増やして記憶と結びつけよう
- ラベリングの自己成就予言(おまけ):繰り返し定義されると、その方向へ近付いてしまうこと
結果として、英語の追試をわずか10分で解答し終えた江崎。
認めがたい現実と向き合い、心理学研究部への入部を検討します。
部員勧誘3人め・宇堂「サイコドラマ」
校長先生からまさかの依頼を受け、校内随一のヤンキー・宇堂を更生させるべく接触した伊東。
宇堂の本音を知るため、与えられた役割を即興で演じる――いわば大人版おままごとですね。「サイコドラマ」を実践します。
あ あの…
俺の弟と妹 こんな感じじゃないんだけど
— 引用元:『サイコろまんちか』1巻より
根は真面目で、伊東いわく「分かりやすいグレ方しか出来ない」宇堂は変人集団の心理学研究部にたじたじ。
貴重な常識人枠として、心理学研究部に加入する運びとなりました。いいのかそれで。
まとめ:冴えない女子高生が心理学を駆使して暴れる、サイコロジカル学園コメディ
部員となった3名をはじめ、高校生たちのさまざまな相談に乗っていく伊東。
問題を解決したり、時には事態を悪化させたりする中で、流れるように心理学の知識を部員と読者に与えてくれます。
心理学さえ学べば 人間関係 うまく行くかも
— 引用元:『サイコろまんちか』1巻より
伊東の願いが叶ったのかは微妙ですが、少なくとも阿部としか話せなかった頃よりも、充実している高校生活。
イキイキと好きな学問について話す姿を見ていると、不思議と応援したくなります。たとえアイシャドウの位置がおかしくとも。
残念ヒロインが繰り広げるドタバタ劇を追いかけているうちに、心理学の知識まで手に入る。一石二鳥の学園コメディを求めている方におすすめです!



ひょっとして、既に読者も「この漫画を面白いと感じる心理テクニック」にハマったのかもしれないね。