作品名 | サイコろまんちか |
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作者 | 小出もと貴 |
ジャンル | 学園コメディ/心理学 |
巻数 | 全3巻(完結済) |
マッド・サイコロジスト・ガールが、やりたい放題! 心理学研究部の成立を目指し、ますます大暴走!
学園一の変人女・伊東、がっかりイケメン・阿部、腐女子なメガネ巨乳・江崎、元エリートの不良・宇堂…全員クズな心理学研究部の明日はどっちだ!?
— 引用元:公式あらすじより(一部抜粋)
当ブログによる評価:お気に入り度★4、おすすめ度★4

下ネタが減ったぶん、数字上は同じでもおすすめ度がちょっぴり上がったような気がする。
年代別おすすめ度
年代 | 評価 | 備考 |
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小学校低学年 | 大人向けギャグに要注意 | |
小学校高学年 | ふりがな付きで読みやすい | |
中学生 | 人間関係に活かしたくなる | |
高校生以上 | 思い当たる経験がありそう |
※1巻レビュー記事より再掲
- 占いやオカルトは「ちょっと疑いながら楽しむ」タイプ
- 学園コメディをベースに、友情やほのかな恋愛要素も欲しい
- 心理学によって変わっていく人間関係の物語を読みたい
1巻に引き続き、恋愛や性についての話題を含む回があります。
ただ核心的な単語はバキューンで伏せられていますし、男子生徒の欲望もライトで明るく、爽やかなノリ。
肌の露出など絵的な描写はほとんどなく、電車で隣り合った人から覗き込まれても恥ずかしくない健全さかと思います!



私は霊能者や超常現象を信じてるけど、すべてが本物かというと…。
『サイコろまんちか』2巻 感想レビュー(ネタバレ度:中)
部長を含めて部員を4人集めたものの、設立に必要な「部員5人+顧問」の条件を未だ満たさない心理学研究部。
部室をもらっていないため、相変わらず屋上でグダグダと駄弁りつつも、時には目的を持って部外の人間と交流します。
- 占いと幽霊のインチキを暴く!?
- 奇蟲デュエリスト同士の運命的な出会い
- 文化祭に向け、最後の部員と顧問を勧誘
3人の部員という仲間を得て、ますます冴え渡る伊東の心理学トーク。
なぜこれで偏差値43なのか?と首を傾げる弁舌で、意見の異なるライバルを次々と打ち負かしていきます!
まだ読んでいない方はご注意ください
ライバル登場!?占いとオカルトを敵視する伊東
特技の占いを披露する於田くんと、「当たってる」とはしゃぐ女子たちを遠巻きに眺める伊東。
占いに見せかけた心理学トリックでモテようとする、姑息な姿勢に腹を立て「どちらがより人の心を読めるか?」という勝負に挑みます。
VS占い・「モテるためのエセ占い」を打ち砕け!
発言内容の大半が煽りとはいえ、クラスメイトと伊東の会話が成り立っている!
…と感動したのですが、キラキラ女子たちと扱いに差をつけられた伊東は怒り心頭。於田くんの秘められし本音を暴いていきます。
- 女の子にちやほやされたい
- ブスにモテても意味はない
- 可愛い子にしか声をかけない
図星を突かれた於田君を、心拍数が上がると電流が流れるビリビリバンド(なんでそんなの持ってるん?)の餌食にします。



唯一手動でビリビリさせた質問が、なんとも伊東ちゃんらしい…。
しかし於田君の反撃により、勝敗はどっちつかずのまま。
個人的には、占いに対して常々抱いていた疑問を「バーナム効果」で説明してくれた、心理学の勝利としたいところです!
VSオカルト研究部・心理学で幽霊の正体を暴けるか?
心理学研究部の活動拠点である屋上に、突如持ち上がる幽霊の噂。
出どころがオカルト研究部だと知った伊東は、彼らを呼びつけ「女子生徒の幽霊などいない」と証明してみせます。
トップダウン効果とラトクリフ波止場実験の効果は絶大!今回は伊東の完全勝利…とはいきませんでした。
ははは…何だかんだいっても怖いんじゃないか?
— 引用元:『サイコろまんちか』2巻より
理屈ではわかっていても、怖いもんは怖いですよね。女子生徒の件は嘘だったとしても、世の中すべての幽霊話が出任せとは限りませんし。
面目を失った心理学研究部の復讐方法は痛快でした!この裏付けは信憑性がありますからね!!
伊東と江崎、女友達との付き合い方
初めて部外に伊東の友達ができるという、誰も予想し得なかった展開を迎えます。
性癖以外は普通の女子高生である江崎にも、中学からのオタク友達、高校デビューで得たオシャレな女友達がいます。
さて、彼女たちの友情に亀裂が走った理由とは――?
巨木の守り神系女子・多胡さん
占い回でひっそりと登場し、悲惨なポジションをとらされていた多胡さん。
実は、伊東とは推定プレイ人口500人のマイナーカードゲーム「奇蟲デュエル」のファン同士という事実が判明!
女友達に浮かれる伊東は、多胡さんの「痩せたい」という相談に対し、心理学の知識を活かしてアドバイスします。
地道に隣町までのウォーキングを続けた結果…10日後に多胡さんに衝撃の変化が起こります。



友情とダイエットの顛末は、ぜひとも本編で見届けてね!
BL好きのコスプレイヤー・己斐ちゃん
己斐ちゃんは江崎にとって、中学時代からの親友でありオタクとしてのソウルフレンド。
当時中学生だった己斐ちゃんが所持する本を見られ、お父さんにドン引きされた事件を機に、2人は高校デビューを誓います。
オシャレな女子高生として生まれ変わった彼女たちでしたが、ふとしたことでクラスの皆にオタク趣味がバレてしまい…。
己斐ちゃんはクラスの女子グループからハブられ、江崎は板挟みとなります。
私は 阿部が嫌う人間とは 絶対に仲良くしない
万が一にも阿部を失いたくないからな
— 引用元:『サイコろまんちか』2巻より
悩める江崎に「自分ならどうするか」と伝えた伊東はカッコよかった~!!
感化されたのか、大事なものを見失わずに済んだ江崎も輝いていて、思わず涙ぐみました。こんな漫画で(ド失礼)



馬鹿にしているわけじゃなく、気軽に楽しめるコメディ漫画って意味でね!?
5人目の部員と顧問を獲得せよ
お祭りムードの高揚に乗じた阿部とのドキドキシーンを期待する伊東。
文化祭に参加すべく、本腰を入れて正式な部の設立に動き出します。
最後の部員・千条ナルコ「ミス・パーフェクト」
見出しでネタバレしちゃいましたが、心理学研究部の5人目は「ミス・パーフェクト」こと千条ナルコ!
文武両道、容姿端麗、音楽や株式などにも造詣の深いスーパー女子高生です。なんで伊東たちと同じ高校に所属しているんですかね。
軒並み偏差値が低く、唯一成績の良い宇堂もかつての素行がアレなため、全員クズという扱いを受けている現在。
「最悪の印象をひっくり返せる会心の手を」と、抜群に評判の良い彼女を勧誘しようと試みますが、正攻法では口説き落とせない難敵です。
リンゲルマン効果による勝利には失敗したものの、自己開示の返報性によって千条は部への加入を了承します。



サイコろまんちか流「北風と太陽」が功を奏した…!
顧問の教師・世良先生「アイアンマスク」
千条ナルコに続き、顧問もあえて「難関な教師」の勧誘に挑戦する心理学研究部。
美人なのに全然笑わず「アイアンマスク」と呼ばれる女教師・世良先生に声をかけます。
最初に向かった阿部と宇堂は当然のごとく失敗しますが、部長の伊東はやはり格が違いました。
心理学トリックというより肉体的・精神的ダメージを用いて、強引に陥落させます!!
大丈夫かな 私の青春
— 引用元:『サイコろまんちか』2巻より
千条の不安をよそに、これにて心理学研究部は正式に部として認められました。
まとめ:変人だらけの心理学研究部が、目に見えない問題に切り込みつつ、部員と顧問を得て正式に発足!
部員勧誘がメインだった1巻に比べ、人間関係が広がった2巻。
ぶっちゃけ人数が増えると会話のテンポが悪くなり、かえって面白さを損なう漫画も世にはありますが…。
サイコろまんちかは各話ごとに主人公を設定し、個別にスポットを当てていくので、会話劇の軽快さを維持しながらも1人1人を深く知ることができます。
人は刺激を感じるから 生きて行けるって話だよ
本当に何もない毎日の方が辛いんだ
— 引用元:『サイコろまんちか』1巻より
ライバルたちとの険悪な関係、本記事ではスルーされている加野君との確執、友情の芽生えと崩壊を乗り越えた伊東。
5人目の部員と顧問がそろった心理学研究部は、はたして念願の文化祭を舞台に、どんなドタバタ劇を繰り広げるのでしょうか?



良い下地ができた上での最終巻…とはいえ、感動のフィナーレ!ってテンションにはならないだろうな~。